作業療法士 Occupational Therapist

Occupational Therapist
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こんな仕事内容

作業療法士は高齢者や障害を持つかたにそり沿い、生活の質が少しでも向上するよう、やりたい事や生きがいを支援するリハビリのスペシャリスト。

作業療法士の仕事は、身体・精神の障害によって日常生活に困難を抱える人に、生活スキルを向上させるための訓練(リハビリ)を提供することです。

作業療法士が行うリハビリは、理学療法士が行うリハビリとは区別され、「作業療法」と呼ばれています。作業療法士がおこなう作業の種類はさまざまです。

食事やトイレや家事などの、応用的動作能力を改善・維持するための作業。

運動・感覚・知覚、精神や認知機能などの、基本的動作能力を改善・維持するための作業。地域活動への参加や趣味、就労や就学など、社会的適応能力を改善・維持するための作業。

参考までに、具体的な作業内容の一部をご紹介しておきます。

●生活に対応するための作業

会話・食事・料理・掃除・洗濯など

●手先を使った作業

折り紙・革細工・陶芸・刺繍・編み物・ビーズ細工など

●芸術を使った作業

音楽・絵画・塗り絵・書道・俳句・写真など

●遊びを使った作業

トランプ・将棋・囲碁・オセロ・パズル・麻雀・オリジナルゲームなど

●スポーツを使った作業

体操・球技・ダンス・バランスボール・トランポリン・散歩など

●社会的適応能力を意識した作業

計算・パソコン操作・対人技能訓練・銀行や役所などの利用・公共交通機関の利用・絵画、音楽、各種ゲームなど

作業療法士はこれらの作業を通じて、患者さんや障害を持つかたが、自分らしい生活を送るためのサポートをしています。

気になる年収は?

厚生労働省による平成30年賃金構造基本統計調査によると、作業療法士の平均月収は、男性約29.2万円、女性約27.7万円となっています。

賞与などそのほかの特別支給額は男性で年間約66.2万円、女性66.1万円です。これらの数字は理学療法士も含めた数字となっているため、作業療法士単体の場合は若干違った結果になるかもしれませんが、だいたいの目安にはなるかと思います。

年収のイメージ

AIやロボットに代わる確率

テクノロジーによる影響

近年やチャットボットや自動音声会話技術の発展により、AIが自動的に宿泊先を手配したり、簡単な電話の対応ができるようになりました。将来的には、これらの技術の発展により、大きな影響を受けると思われます。

「働き方」と将来性

作業療法士の資格を取得した人の多くは、病院や施設で働いています。

総合病院や大学病院・精神科や心療内科・小児科・介護老人施設・老人ホームなどが、作業療法士の主な勤め先です。

その他には回復期リハビリテーション病棟や、リハビリテーションセンターといった、リハビリ専門の施設で働く作業療法士も増えているようです。また保健所で行われるリハビリ教室の指導や、相談などを担当することもあります。

作業療法士の勤務時間は、医師や看護師と比べると残業が少なく規則的です。そのため家事や育児などと両立したい人にとっては働きやすいといえますが、残業が少ないと高収入が期待できないため、空き時間や休日を使って他と掛け持ちで働く人もいるのだとか。作業療法士協会の統計によれば、常勤者の約1割は掛け持ちで働いているそうです。

高収入を望むのは難しそうですが、2025年には「3人に1人が75歳以上の高齢者」となる超高齢化社会の日本において、作業療法士の将来性は、大いに期待できるものであるといえます。

作業療法士の仕事に関わるリハビリの分野では、蓄積されたリハビリデータをもとに適切で効果的なリハビリプログラムを作成したり、リハビリの結果をもとに効果を検証したりすることが、AI技術によって可能になるといわれています。

しかし作業療法士の主な仕事であるリハビリ業務自体は、人と触れ合いながら人の手によっておこなわれるものであり、AIが直接患者のケアを行うことはできません。そのためどんなに科学が進歩しても、作業療法士の存在は必要不可欠だといえるでしょう。

とは言え作業療法士の国家資格を持つ人の数は増え続けているため、就活の競争率は上がっていくのではないかと予想されています。働く場所や相手にする患者さんにより仕事内容は変わるので、自分の作業療法士としての強みを明確にするため、必要な知識や技術を磨いていくことは、作業療法士としての市場価値を高める上で、非常に重要であるといえます。

資格とキャリアステップ

作業療法士になるには、国家資格である「作業療法士資格」が必要です。

作業療法士国家試験の受験資格を得るには、文部科学大臣または厚生労働大臣指定の養成施設(3年以上)を卒業する必要があります。

修業期間は3年または4年となっており、大学は4年制、短期大学は3年制、専門学校は3年制と4年制とがあります。専門学校の中には夜間課程を設置している学校もあるため、仕事をしながら作業療法士を目指すことも可能です。

養成施設にて規定のカリキュラムを受けることで、国家試験の受験資格を得られます。国家試験は毎年1回おこなわれ、試験に合格することで、作業療法士の資格が取得できます。

令和2年2月に実施された第55回作業療法士国家試験の結果は、出願者数は6590名で受験者数は6352名。合格者数は5548名で合格率は87.3%という結果でした。2016~2020年までの合格率も毎年70~80%代の合格率となっているので、作業療法士の資格は取得しやすいといえます。

作業療法士のスキルアップ方法としては、セミナーや研修に参加し専門知識や技術を習得したり、リハビリの仕事に活かせる資格を取得したりするのが、典型的といえるでしょう。

作業療法士がスキルアップできる資格としては、「心臓リハビリテーション指導士」「呼吸療法認定士」「糖尿病指導士」などがあります。

また自分磨きを続けている証としてキャリアアップに活かせる資格としては、「認定作業療法士」や、さらに難易度の高い上級資格となる「専門作業療法士」などが挙げられます。

その他のキャリアアップの方法としては、医療機器メーカーに入り、リハビリの現場で培った知識や技術を活かして「自助具」などの開発に携わることも、作業療法士のキャリアアップの方法といえるでしょう。

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