大学教授 University Professor

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こんな仕事内容

大学教授の仕事は何かと問われたとき、「授業をしたりゼミで学生の指導をしたりする」と答える人が多いかもしれません。確かに授業やゼミも大学教授の大切な仕事ではあるのですが、それは仕事のほんの一部にすぎません。

基本的に大学教授は自身の専門分野において、最先端の研究をすることが仕事の中心です。研究結果は論文としてまとめ、所属学会や学会誌などで定期的に発表します。

大学教授は大学を運営している独立行政法人から、論文の質や数を評価されて雇用されているため、定期的に論文を発表することは、大学教授として仕事を続けていく上で、非常に重要な業務です。

また大学からの研究費とは別に、第三者機関から資金提供を受けられることもあり、その際に論文を提出して審査を受けるそうです。こういった側面からも論文の執筆が、大学教授にとっていかに重要な仕事であるかが伺えます。

その他にも有識者としてテレビや新聞や雑誌などのマスメディアにおいて、専門分野の解説をしたり、情報を発信したりもします。セミナーやワークショップでの講演や、講師役として呼ばれる機会も多くあるようです。

また所属する学部や研究科での教授会を取り仕切ったり、年間予算の管理をしたり、入試の問題を作成したりなど、大学運営に関する業務も行っています。

このように大学教授は仕事の幅が非常に広いため、様々な引き出しや能力が必要とされる仕事といえるでしょう。

気になる年収は?

厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査によると、大学教授の平均年齢は57.6歳で、平均年収は1070.5万円でした。平成29年度の国民生活調査において、国民所得の中央値が442万円との結果が出ているため、大学教授はかなり高収入の職業といえます。

大学の主な収入源は学生からの授業料であるため、生徒の数によって大学の収益は変動します。大学の規模が大きくなるにつれ、平均月収と年間ボーナスも上がっていくようです。

また国立大学と私立大学とで比べると、給与水準は私立大学のほうが高めとなっています。国立大学の中では平均給与が高いとされている東大ですが、その東大の平均給与でも、私立大学と比べると最低クラスになるようです。学部や専門によって金額に幅はあるものの、平均給与が東大の約1.5倍の一流私大もあるとのことでした。※年収は助教(20代)→准教授(30代)→教授(40代)をイメージしています。

年収のイメージ

AIやロボットに代わる確率

テクノロジーによる影響

近年やチャットボットや自動音声会話技術の発展により、AIが自動的に宿泊先を手配したり、簡単な電話の対応ができるようになりました。将来的には、これらの技術の発展により、大きな影響を受けると思われます。

「働き方」と将来性

大学教授には専門分野の研究を行うための時間が必要なので、受け持つ授業時間は小学校・中学校・高校の教員よりも少なく、国立の場合は週8時間程度、私立の場合は週9時間程度が一般的なようです。

研究の進行具合によっては遅い時間まで仕事となる場合があり、学会発表の準備や会議などもあるため、授業時間が少ないからといって、時間に余裕があるわけではありません。

夏休みなどの長期休暇には、海外研修やゼミ合宿の引率、学会への参加やセミナー等の講師をすることもあります。

大学教授は仕事の幅が広いためやる事は多いですが、研究が一段落したり、論文を書き上げたり、学会発表が終わった後などは、時間に余裕がある時もあるようです。そのため一部の研究職を除き、忙しくて家族の顔が見られないほど仕事漬けの日々となる可能性は、少ないといえるでしょう。

将来性については、決して明るいとは言えません。少子化にともない大学教授の需要は、右肩下がりとなっているからです。需要が減っている一方で、大学院の博士課程修了者は増加傾向にあるため、需要と供給のバランスが取れていないのです。そのため大学院へ進み博士課程を終えても専任の教員にはなれず、不安定な非常勤講師という身分で生計を立てている人も少なくないようです。

しかしながらこのような状況の中、産学連携による新たなビジネスの創出という流れが、活性化していることも事実です。大学と企業の協同研究による新商品の開発など、大学教授の活躍する場所は、キャンパスを飛び越えてビジネスの現場へと、拡大しています。

また大学教授には副業が認められているため、非常勤講師をするなど、副業によって収入を増やすことが可能です。有名な教授ともなれば、テレビのコメンテーターをしたり本を出版したり講演活動を行ったりもできます。

少子化という厳しい局面の中でも自身の能力次第では、将来性を広げていく余地は、十分あるといえるでしょう。

資格とキャリアステップ

大学教授になるにあたり、小学校・中学校・高校の先生のように、試験や実習を経て教員免許を取得する必要はありません。ただし大学の教員として働くためには、高度な専門知識を要求されます。そのため大学卒業後は大学院へと進み、博士号を取得する道が一般的となっています。

大学教授になるための第一歩は、まずは大学を卒業し、「学士」を取得することです。その後は大学院に進みます。大学院には様々な課程が存在しますが、一般的には修業年限2年の修士課程と、修業年限5年の博士課程に分けられます。修士課程を修了すると「修士号」の学位が、博士課程を修了すると「博士号」の学位が取得できます。

博士号の取得後は、就職活動のスタートです。大学教員向けの就活サイトのようなところに掲載された教員募集要項を見て、就職先を探します。こういったサイトは研究分野ごとにメール登録できるようで、公募があるとメールで内容が届くようになっているそうです。

そして採用されてもいきなり大学教授になれるわけではなく、まずは助教授や講師として経験を積んでいくのです。

ただし大学が助教授や講師を募集するのは欠員が出た時で、募集人数は1~2人くらいのもの。この少ない応募枠に数十人から数百人の応募があるため、採用されるのは非常に難しく、助教授や講師のポストを得るのはかなりの難関となっています。

難関を突破し大学教員として採用されたら、そこからキャリアのスタートです。その後は地道に研究を続けて経験を積み、優れた実績や成果を出せれば、教授の推薦を受けられ、ランクアップできます。

大学により多少の違いはあるようですが、一般的には「助手」→「助教授」→「講師」→「准教授」→「教授」という順番で、長い時間をかけてランクアップしていきます。教授の椅子は少ないため、上り詰めるのは非常に狭き門となっており、学内でポストが空かない場合は他の大学の公募へ応募し、チャンスを掴む人もいるようです。

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